2021
09.10
09.10
穢れた私メの目と心に、いたいほど沁みたのでありました。
お女性は純白な秋の装いに、黒いバッグには折り畳み傘が顔をのぞかせており、似たよーなデザインの男のパンツから察するに、どーやら昨夜は愛の巣でお過ごしなされたみたいであります。
だって、本日は晴天。昨日は雨でしたから。
絡めたお手てとお手て。
「愛なのだなぁ。アジアの愛だ」
私メにはぜったいに届かないお手てなのであろうと、シャッターを連続して押し続けるしかありませんでした。
焦ったせいか、動画の録画になったり、ワイドになったり、たくさん写したつもりが、まともに写っているのは、この一枚。
愛の神様が、不純な私メの好奇心から、おふたりをお守りになったとしか思えませぬ。
ちと、男の手のつなぎ方が雑ではないかと気になりました。
精力を使い果たしたのか。
そーです、男は射精時に、愛のエッセンスをほとばしらせ、そのあとは気だるい秋のオスカマキリになり果てるものなのでございます。
いやいや、この手の組み方は、閨でのヤリ方ではないか、とも観察できますので、カマキリ復活しつつあるの図とも。
愛の神様から、
「この愛を、汝にも与えよう」
と微笑まれたとしたら、
「いいえ、その義ばかりは遠慮申し上げます」
下りエレベーターを、あわてて逆走して逃げ出すことでございましょう。