2023
07.10

この暑さが原因なのでしょー。
マイバスケットからあずきバーが消えていたのであります。
値札はあるのに、主人公であるあずきバーがない…。

私メだけがファンだと思っていたのに、
「ちくしょー」
泣くに泣けない有様でありました。

反射的に中学生の夏を思い出すのであります。
同級生の女子に、「気持ち悪いオンナ」としてイジメの対象がおりました。
割り箸のよーな細い体と度の強い分厚い赤ぶちの眼鏡をしていた女子でした。
しかし、私メはべつにどーという気持ちもなく、むしろ、図書部員である彼女とクリスティーなどのミステリ小説をたまに会話しておりました。
そんな私メを男たちは「げげげーッ」と変な目でみるのでした。

が、そんな男たちが一瞬にして沈黙する出来事が起こったのであります。
夏の体育の授業。場所はプールサイド。
彼女の水着姿に、すべての男どもの視線は吸い込まれたのであります。
ツンと上向きの乳房。そして長い脚。数いる女子の中で夏の陽光が彼女だけを輝かせているのでした。土踏まずの白い足裏までもが目に焼き付いておるのでありました。
その日を境に、彼女を悪く言う男は誰一人としていなくなったのでした。

コンビニの冷凍庫から失われたあずきバーと、あの水着の彼女がひとつに重なってしまうのでございます。

なくなってみて、あずきバーの、あの粘るよーな固い歯ごたえと仄かな甘さを、身悶えするよーに欲するのでございます。