2024
09.09
09.09
積乱雲がダイナミックに大空に展開すると、
「夏が終わりだな」
となしてか思います。
そして思い出すことがございます。
夏の終わり、9月に入った、ちょうど今頃、私メはキノコに当たり、1週間ほど寝込んだ時期がございました。10代であります。
部屋で寝ていたら、窓越しに積乱雲が発展していたのであります。
そして、どーいうわけか翌日、お女性と海を見に出かけていたのであります。
友達の彼女でありました。
ちょっと太めなところが魅力でありました。
記憶は、いつも思い出す記憶と、遠い記憶がございます。記憶の記憶の陰に隠れている記憶でして、彼女と海に行った思い出も、その遠い記憶なのでございます。
中国人が故意にバラまいた新型肺炎が流行する直前まで、彼女は飲み屋を経営しておりました。
偶然に入った店が、彼女の店だったのでお互いに驚きました。
が、私は偶然ではありません。いや確かに偶然なのですが、飲み屋街を彷徨っていた時、「入道雲」という店名が目に付いたのであります。
それは、海を眺めながら「いつか店を開いたら、お店の名前は『入道雲』にしようかな」という彼女のつぶやきが、記憶の何かを刺激したのかもしれません。きっとそーであります。
入った瞬間は分かりませんでした。なにしろ40年は経っていたはずでありますから、
そして彼女はずいぶんと痩せておりました。
「まえと変わらないよ」
お互いを認識してから「痩せてたもん」が、はじめての会話だったよーな。
店を閉めるというメールが届いて「ランチしようね」のお誘いには返事を出さぬまま、彼女の存在は積乱雲を見た時でしか思い出さない記憶となってしまっておりました。