04.06
三宮から乗ったお船のビュッフェでワインを二本開けたのでした。
そのときに隣のテーブルに4人家族がおりまして、私の妄想をかきたててくれたのであります。
40才前のお母さんと女の子二人、男の子一人の家族であります。
おそらくお母さんはバツ2。下の子と上の子が似ていないからであります。
お母さんは一人で3人の子供を育てているようなのでありました。
が、じぶんではしっかりと生活しているようにみえても、女の隙がところところに見え隠れ。これでは男たちが放っておくことはできませんし、お母さんの方も嫌いな方ではありますまい。いやいや、服をぬぎ捨てたとたんに、みずから快楽を深めようと驚くような行為を示すタイプの女とみたのであります。
それはそれでいいのです。むしろ嬉しくなるお母さんであります。
ところが、お母さんのそういう生活を一番上の子が見て見ぬふりをして、すっかり承知しているふしがあるのでございます。
この女の子であります。
テーブルに一人残されたときがあったのです。
ずいぶん長い時間でした。
もしかすると、この子のお母さんを見る目が、お母さんにはカンに障るのかもしれません。すこし嫌われているのかもしれませんです。
女の子はきちんと椅子にすわり、しずかにご飯を食べるのでした。
小指をたててお箸をつかっているのが痛々しいのでありました。。小指をたててお箸を使う誰かがいて、その人を見習っているのでありましょうか。
船内には同じ年頃の子どもがいて騒いでいるのに、この子はジッとすわっているのでした。
きっと思春期を迎えたあたりから乱れるのかもしれませんです。
そんな子になってほしくはありません。
おもわず引き取って育てたいと思うのでありました。
源氏物語にはいろいろなタイプの女が登場しますけれど、若紫という少女をひきとってさいごは自分の女にするというエピソードがひしひしと実感として沁み込むのでありました。
男の愉しみの究極かもしれませんです。
翌朝、この親子を目で探しましたが、どこにも見当たらないのでありました。