04.08
本日は4月の8日。
お釈迦さんの誕生日。花祭りなのであります。
毎年、仕事を放擲して、どこかのお寺で甘茶をいただくことをならわしとしております。
今年はHヶ崎市内のお寺に。
こんな甘茶飴をもらったのでありました。
そればかりではありませぬ。
境内にはテントが設置され、老人たちの楽しいかすれた笑い声が聞こえているではありませんか。
どうぞどうぞ、とすすめられるのでそのテントの中に。
「あの世からのお帰りですか?」
と言おうとした口を抑えて、
「被災者の皆様ですか?」
と言いましたところ、一瞬間の沈黙の後に大笑い。
このジョークが受け入れられるとは、これはイケるぞ、と腰をおろしましたらば、「こんな被災地なら天国だろうけどねぇ」と老人会の係の人が、竹筒のお酒をついでくれるじゃありませんか。
まだ午前10時であります。
イイんですか、時間はたっぷり。どこまでも飲めますですよ。
旨いうまいとたちまち5杯。
銀紙にはイモが包まれて網のうえでこうばしく焼かれておりますです。
「お兄さん、飲んでばかりいないでなにか歌ってよ」
なんて声がかかりました。
「楽しい被災者なんだからさ」
なんて声も。
そう言われてはしかたありません。
11年ぶりにみんなの前で喉を披露いたしました。
「~しらかばぁ、あおぞぉら、みぃなみぃかぁぜ~」
ご存知、「北国の春」であります。
さわりだけを張り上げてみましたのでありました。東北の春は南風ったってあたたかい南風ではないのでして。寒い春に、こぶしの花はまっしろく、ほこらしげに咲くのであります。おもいがけずこみあげてきましてねぇ。あぶないあぶない。
それでまたお酒をつがれましてですねぇ。
これでは老人会デビューではありませぬか。
またとうぶんは歌は封印であります。
が、酩酊しかけた私にも分別というものがございまして、あとからの客人にお酒と席を譲らなければならないことくらいは承知いたしているのであります。
その場を去することにいたしましたら、係のお年寄りに呼び止められてメルアドを尋ねられ、ついでに、
カシャ!
これが、その時の写真であります。かなり酩酊しておりますです。
近年になく、たのしい花祭りだったと満足する自分がオソロしいのでございます。
老人会のお年寄りからはまだメールが届いていないのでホッとするやら、心のどこかで期待しているやら…。