07.16
断易的に申すなら、傘は父母ということになるのでありましょうか。
自分を覆うモノでありますから。
いやいや、父母は雨なのだから、それを避けるためのモノとして妻財であろう。
違う違う、この場合の雨は自分に害を及ぼすものとしてとらえるのが妥当であるから官鬼。したがってそれから身を守るものだから傘は子孫である。
と、いろいろと考えれば、それなりに納得するのでございます。
ここが断易の難しいところかもです。
赤いビニール傘が捨てられているのであります。
壊れてはおりませぬ。
誰がどういう状況で傘を捨てたのか。
女性モノの傘でありますから、最初の持ち主はお女性でありましょう。
たぶん30代以下のお女性にちがいありませぬ。
お女性は、いかなるときに赤い傘を買うのでありましょう。
日曜日の夕方、茅ケ崎は夕立に見舞われたそうでありますから、その前後にお女性が持っていたのでありましょうか。
日曜日の夜は、浜降り祭でございました。
これらを結び付けると、浜降り祭に向かったお女性なのでありましょう。
使うときは開いて、使わない時は閉じるモノ。
なんとなくエロっぽいものでありますですね、傘というものは。
濡れている時に欲しくなり、乾くと欲しくないもの。
つまり傘を捨てた時は、雨が上がっていたのでありましょう。
不要だから捨てたのでございましょう。
捨てる?
お女性がビニール傘を捨てるでありましょうか。それも赤にこだわった傘を。
たぶん、コンビニにお女性が入っている間に、誰か知らない男が傘立てからギッたのではありますまいか。そして、自宅マンションのあたりで捨てた…。
いや、赤い傘を男が盗めるかどーか。
分からぬ…。
私メはしばらく捨てられフェンスにひっかけられている赤いビニール傘を眺めつづていたのでありますです。
傘が哀れでありました。
「つかってやろうか、オレが」
傘は沈黙するばかりでございます。
捨てられた傘は、官鬼から剋された兄弟。そして私メこそが兄弟を生じる父母となっておりました。