2017
04.30

文房具屋で赤いインキを買いました。

心が乾いていると感じたのであります。
世はGWの真っ最中で、私メにも「こっちにおいで」なんてお誘いがございます。

けれどモリオカや釧路を回ったばかりで、お付き合いするのは億劫なのでありました。

で、ひとりで文房具屋に。
赤い色がキレイに見えただけでございます。

心が乾いているか、潤っているか、それはなかなか判断することは難しいのであります。
赤いインキで手紙を書くと決別のあかしだなどと言われております。
しかし、そういうことでもございません。

もしかすると、お女性のベティキュアの記憶が残っていたのかもしれませんです。
靴を脱いだ黒いストッキングからのぞく赤く塗られた足の爪の色を。

ペンにインキを含ませましたが、書く文字がございません。
腕に傷のように走らせてみました。

バカバカしいのでございます。

本当の傷と、お女性の腕にもナイフで傷を作って合わせたらどうかと考えました。

偽の傷同志を合わせた方が美しいのでございます。

インキがあるのに書くべき文字がないということは、たくさん喋りたいことがあるのに、もう何も語ることはないという愛の終わりに似ております。

そーして、やはり嘘の言葉を交わして、美しく笑い合うのでございましょうか。

乾いた心をいやすのは、潤いのある心ではなく、乾いた心なのかもしれませんです。