2018
03.21

花冷えをとおりこし、寒の戻りなのであります。
茅ヶ崎も午前中から雪。

曇ったガラス窓のむこうは吹雪でございます。

なんと、しあわせなのでありましょうか。

部屋を暖め、整理整頓をしたり、ベッドに仰向けになり、しばし昼寝を楽しんだり、地下から松本清張を引っ張り出して短編を斜め読みしたり、それはそれは楽しいのでございます。

古い段ボールの中からは、まるで女神がいて、
「あなたにプレゼントを差し上げましょう」
とか微笑むよーに、とんでもない手書きの資料が出てきたのでございます。

密室科を始めるにあたり、奇門遁甲天文に、とんでもないパワーとなる資料なのであります。
ノートの日付は1985年の4月3日から一年間。
お女性の筆跡であります。

記憶がございません。
けっして盗んだものではないことは間違いないのでありますが、どういう経路で私メの手に入り、そして、それを忘れていたか。いや、この時期に段ボールから発見される偶然を、ただ驚くばかりなのでございます。

女神の仕業だとしておきましょう。

「心理学的にはシンクロニシティとというんですよねん、ふん」
などとバカ者が小利口ぶったひとことを飛ばしそーでありますが、奇妙なことでも名付けることで安心したくなるわけであります。それでも不思議さは残るのであります。

整理のすんだ机に、そのノートを広げておるのであります。
そうして目を通しておかないと、ノートを握って唾をつけておかないと、たとえばトイレから戻ってみると煙のよーに消えているかもしれないのであります。

この世のすべては、煙かもしれないのであります。
濁情も、生命も、なにもかも。

あれほど離れられなかった二人が、別々の生活をしている例は無数とございます。
可愛いペットが死に、生きてじゃれていたことが夢のことのよーに思える例も限りありませぬ。

私メが死にましても、十傳スクールで勉強していた受講生の皆様の頭に、占いの知識が消えずに残ることをお祈りするばかりでございます。