2022
02.11

東京駅と大手町をつなぐ地下通路の壁に、かようなポスターを見つけてしまいましたです。
なんと、私メだけの池が、勝手に掲載されておるではありませぬか!

額の血管がブチ切れそーになったのであります。
「なんだ、これは!」

このところのコロナ禍で、ホッとしているのは鎖国状態で、中国人がやって来ないからであります。
じつは、観光という魔手は、この池にまで及び、ひところは中国人がバスを連ねて、大気まで汚しまわっておったのであります。
腹の底から怒りの塊が、口を裂いて出てきそうでありました。

これぞ郷土愛なのであります。

そのむかし、私メが10代だったころ、1年先輩に、笹川クンという男がおりました。
自宅は、青山町という北上川の向こうだったはずであります。
それが、あるとき、池のちかくの上田通りを歩いていたのであります。
反射的に、乗っていた自転車で近付き、
「どこさ行くんですか」
と訊きましたら、
「池に」
と答えるのであります。

それは到底、許されることではないのでありました。理由はなくてもであります。
「帰ってもらえねべか」
ほとんど殺意でありました。
池は私メだけのもの。場合によっては買い取って埋め立てて、誰にも見られないよーにしてやりたいほどに愛しているのであります。
お女性に対しても、これほどの愛を感じたことはございません。

笹森君は、画像のよーな、穴がダブルのベルトでジーパンをギュッと締め付けておりましたです。
あんまりギッとしているものだから、余った布地が股間にあつまり、相撲取りのようにもっこりと股間が巨大化しているのでございます。

以後、このよーなベルトを見ると、その記憶が呼び覚まされるのか、非常に気分がプンプンしてくるのでございます。

学校の廊下などで笹川君とすれ違うことがあれば、
「池に来るなよ」
キョトンとする彼を睨みつけたものでございました。

それにしても、はやく地下通路のポスターを処分してもらいたいものであります。

…やはり、私メは、易者にしか、なれなかったよーでございます。
みなさまに、この偏愛を理解してもらおうなどとは夢にも思いませんです。