2023
01.22

私メの生年月日には、形だけの官殺がございます。
官殺というのは、四柱推命の変通星の一つでありまして、その意味は出世とか病気とか、お女性にとっての男運とか多岐にわたりますが、ここで述べたいのは自制心であります。

悪いことを自制する働きであります。
正しく官殺が働いていれば、悪いことはせず、すくすくと社会的な成功を収めるはずであります。
しかし、私メは、この官殺が弱いのであります。
すると、どーなるか。
表面上は礼儀正しいが、裏に回ると毒々しい態度をあらわにする。コレでございますです。
たとえば、社長の前ではペコペコするくせに、社長室のドアを閉めたとたんに「死ね!」と無頼者になるのであります。
私メが中学生のころ、よく万引きをしたのも、形ばかりの官殺が原因していたものと判断できます。

成人してからは、万引きの癖は収まりましたが、いちど、神社の社の「玉」をどーしても盗みたかったことがございます。
運をつけるために、毎朝5時に神社まで5キロを走りましたが、そこに手を伸ばせばいつでも盗める、それは魅力的な石の「玉」があったのであります。
が、なんとか盗まずに自分を抑えましたです。

さてさて、訪問した廃墟のよーな町で、このレリーフを見つけてしまったのであります。
裏通りの壁に、それは金テコでもあれば、すぐに剥がすことができるよーに見えました。
目をすぼめて周囲を伺いましたが、人通りはなく、監視カメラもございません。
「欲しい…!」
欲しい、欲しい、欲しい。
レリーフのオッパイも私メのモノに、
「なりたいの」
と切なそーであります。
私メのために、白い石膏の芸術はそこにあるのであるとしか思えない。

はぁ、はぁ、はぁ。
息づかいが心臓をきりきりと締め付けるのでございます。

しかし、レリーフを盗んでも、いれる袋がございません。
その抑止の気持ちが官殺だったかどーか。

思い通りに出て、深呼吸をしました。

いま、自宅にいて、この画像を眺めているのでございます。
「いずれ…」
官殺はふたたび、形ばかりの効き目のないものに弱まり、はぁ、はぁ、はぁ。
モリオカの自室の壁にレリーフが飾られる未来の現実を想像するのでありました。