2025
04.16

追放した老母の住まいする流刑地の途中のラーメン屋にたちよるのが、さいきんの習わしになっております。

この日も、ニボチュウを頼んでいましたら、店員ではなく、おかみさんがわざわざ運んできて、小声で、
「ワンタン入れときました」
耳打ちするのでした。

またか…。
私メは若い頃から、この手のサービスされる人徳を持っているよーであります。煮卵が麺の中にしずんでいたり、チャーシューが二三枚多かったり、食ってもなくならないほどの麺だったりと、別に若い女子店員だけでしなく、親父の店主からも好かれるのであります。

それはラーメン屋に限らず、たとえば担任教諭だったり、今思えば断易の師匠の鷲尾先生にも好かれていたかもしれません。
またやむなく命運を縮めた銀座ジプシーにも。
はたまた、私メに占い業の奥伝をそれとなく教えてくれた佐藤先生にも。

これらは時として迷惑、とまではいかなくても、ちと「ほっといてくれ」と恥に感じることもございました。

私メの命式には、根のない官殺がございます。
これは「形ばかりの礼儀者」と講義では教えております。
心の底では権力を否定しつつも、その場では権力に諂う素振りをし、その場から出ると、「バカーか、死ね」とドアを蹴とばすような輩なのであります。

その四柱推命の特徴がまだ出ているのか…。
しかし、餃子ほどの具のつまったワンタンを頬ばるのでありました。