2025
04.01

まことに小さな遊園地がモリオカにあるのであります。
体よく申せばヨーロッパの小都市に思い出したように点在する遊園地に似ているとでもいいましょーか。

この日、モリオカは寒く、せっかく入園料が無料だというのに、せいぜい10人ほどの来園数。

待ち時間なしというのも淋しいものであります。

もちろん私メが観覧車にのったりゴーカートで遊んだりするはずがございません。そんなことをしたら気狂いジジイとなってしまいます。
ただ立ち寄っただけ。立ち寄ったら、入園料が無料だったので、好奇心にかられて立ち寄っただけ。

それでも恋人たちも二、三組いるのでした。
なにもディズニーランドでなくたって、おたがいの体温を感じさえすれば、それで満足なのであります。
しかし、別れても、この岩山パークランドに来ますと、お互いのことが思い出されてウルウルしてしまうことでありましょー。

こんなところ…とバカにしていましたが、園内を回っているうちに、捨てたものではないと思い直すのであります。

絶叫マシンなのでしょーか。
一組の恋人だけが乗っていて、お女性の絶叫が尾を引いて、小雪舞う園内に響くのでした。

これは私メの人生のよーな遊園地である。
他者を排除し、塀を張り巡らした邸宅に一人棲み、孤独を孤独とも思わずに暮らしている自分自身になぞらえるのでありました。
年々老いぼれ度が加速していくよーに、この遊園地もいたるところにガタが来ておるのであります。

何が楽しいのでしょうか。
楽しい素振りをしているのでしょーか。

いやいや、じつに楽しそーなのです。
私メも楽しい淋しい空しい人生であるのと同じく。

私メだけではなく、すべての人たちの人生も同じではないか。
面白くもない仕事をして、いくばくかの給料を受けとり、そのお金で衣食住、そして子育て。ローンを支払うのであります。
楽しみといえば、自分とは全く関係のない野球の大谷をむなしく応援したくらいのモノでありましょー。

あ~あ、そろそろ神の怒りが来ております。
アメリカからの束縛もなくなり、やっと核を作り、こちらからロシアに攻め入っても良いという考え方が可能になるのてございます。
そして勝ち、税金を取ることで、楽しい日々が保証されるのでございます。