2023
06.14

今年も雨の季節がやってきました。
嫌いではありません。

ただ白のデッキシューズを履く出番が少ないのであります。
9月になると白のこの靴は季節外れの侘しさを感じてしまいますです。
なので、靴箱のなかで、取り残されてしまうという繰り返しであります。

お女性が、恋をするお年頃にいろいろあって、恋をせずに、気づいたら取り残されてしまった感に、おののくといったところでしょーか。
恋をするのに年齢は関係ございません。

いつだったか新宿にある喫茶店の2階で占い師のお女性と語っていたことがございました。
お女性が、会話の途中に、窓の下を指さしました。

と、指さした延長線上に、銀座ジプシーが歩いていたではございませんか。もちろん頭巾はかぶっていません。
となりにマダム何某が傘を差し、ジプシーと腕を組んでおりました。
義足のジプシーを雨から守るよーに傘を差しているので、よけいにイチャついて見えたのであります。
「…気持ち悪い」
お女性占い師がつぶやいた言葉を、私メは忘れられません。

ジプシーは70代。愛人であるマダム何某は40代。
いい年をした男女が相合傘の様を「気持ち悪い」と表現したのでありましょー。

それが純愛であれ、不純であれ、いや純愛であればあるほどに、「嫌なものを見た」という気持ちにさせられるのは否定できません。

しかし、他人事。こちらが干渉することでもございません。

秋に白いデッキシューズを履こうが、それは自分の勝手。

しかし、みっともないと見られたくないのも正直な気持ちであります。
みつともなくない老人になるのは、難しいのでございますです。
イタイ老人はそこかしこで見かけるのであります。

  1. 雨の日は鬱陶しくて好きではありませんが
    子供の頃、シトシトと降る雨が続く梅雨時、かび臭い押し入れの中で
    弟の様に可愛がっていた雄猫チュ-と抱き合って寝た思い出
    何よりも幸せな時間でした
    あれから何十年と時が過ぎたことか
    それでもチュ-の温もりを私の腕が・心が忘れまいとしているのです
    幼子の私にとって、この一時は最大の幸せだったからかもしれません

    ●十傳より→幼少の頃の思い出は格別ですね。