2021
03.12

花の季節を迎えまして、ビニール袋を片手に、山茶花の花を採集するのでありました。

奇門遁甲座山の造作、つまりパワーボックスに仕込むためであります。
花の色は、赤、白、黄色と、いくつかありまして、赤色がもっとも色落ちや変色せずに保存出来て便利ではあります。

難しいのは白。
すぐに黄ばむなどモノになりません。

人間も同じよーなところがございまして、タフで長持ちする人もいれば、清楚だったはずにお女性が、みごとに図々しいオバちゃんになったりいたします。

が、清楚で周囲からチヤホヤされたオバちゃんは、いまでも大切にされていると思い込んでいるみたいでして、平気で道路を横断したりいたします。
昔のよーに、男の運転するクルマが止まってくれるものと、それは図々しいのでございます。

たしかに若いお女性が横断しようとしていただけで、
「お、オンナ!」
と、男どもはこぞってブレーキを踏んだりした時代がありましたです。

私メも、ドライブが楽しかった若いころ、うら若いお女性が、運転席側のウィンドーを開け、チンタラ走っているクルマを追い越しざま、
「おかすぞ!」
と叫んでいた現場を目撃いたしました。
「カッコイイ!」
とても憧れ、一瞬間で恋をしてしまい、そのクルマをどこまでも追いかけたことがございます。

しかし、いまではお花の採集をしているワケでございます。

最近は、美の観点が移ったのか、
「美人が少なくなった…」
でございます。すくなくても私メの目には。

姿かたちは年齢と共に衰えるもので、大切なものは心だと言われますが、でも、やはり美しい花に目を奪われてしまうのは、男のサガというモノでありましょう。

千人に一人の割合で、老いても美しいお女性が存在するのは確かでございます。
羞恥心が、その美を保存する源ではないかとも思うのであります。
優しさとか気品とか顔の造作とかございますが、老女の恥じらいは、背筋がゾクリといたします。
白色のまま色あせも変色もせずに、遁甲造作にそのまま使ってしまいたくなるお女性であります。

意地悪な春の風にスカートの裾がひるがえると、首筋まで染めて恥じらうお女性。

いやいや、まずは赤い花を袋いっぱいに採集して、乾燥処理をしなければ。