2022
03.05

昨年末に、断易に用いる神蓍という木箱を職人さんに作ってもらい、それを希望の方々にお分けいたしました。
そこまでしたなら、本体である八面体の象牙のサイコロが欲しいところであります。

でも、それが現状ではナイのであります。
象牙彫の職人が老齢化しているのと、材料である象牙がないのであります。
なんとかロシア回りで象牙が入ってきたのですが、このたびの戦争によって、日本が経済制裁をしたために、その手が絶望的になったのでございます。

江戸時代には、象牙も職人もたくさん存在し、画像のよーな色モノを作っては、
「みなさまに喜ばれております」
でしたのに。まさか芸術作品を壊してサイコロを作るわけにもいきますまい。

残された道は動物の歯とか鹿の角でしょうか。
「それは象牙ではないでしょー」
歯や角に骨密度があるのかどうかは知りませんが、象牙で出来ていれば良いというモノでもございません。
出目が平均化してはじめて、サイコロとしての存在価値があるのでございます。
毎回、「乾」の目ばかり出ては、使い物にならないのであります。

でも、絶望的な場合であっても、諦め半分で待っていれば、
「おお、奇跡的」
みたいに手に入ることになっております。

なので、
「箱ばかりでは…」
と、空の神蓍を眺めては、虚しくため息をつかれているお方たちは、もう少しお待ちくださいまし。
それまでは、小さな六面体のサイコロ18個をご用意して、占っていてくださいまし。

それにしても色モノの職人技には舌を巻くばかりでございます。

「これぞ、ニンゲン!」
捨てたものではございませんですね。