2022
10.21
10.21
故人の遺品を整理しておりましたらば、かような実用本が出てまいりました。
ガリ版刷りの四十八手、続廿手の70ページ、それに前フリにページがついた小冊子なのでございました。
すぐさまベケットに押し込んでのでございます。
悲しい人間のいとなみが延々と描かれ、そして男からお女性へ、お女性から男へと伝えられていくのでございましょう。
「やめてください」
などと毛嫌いするお方もございましょう。
多くは嫌いして、そして新興宗教へとのめりこんでいくサダメなのでございます。
そうそう、タイトルは『鴛鴦閨房秘考』。おしどりねやのしぐさ、とでも読むのでしょうか。
本能を上手に楽しむ方法です。
本能は性欲だけでなく食欲もそうでありますから、料理と同じように考えられるのであります。
生命力という言葉もごさいます。
生きたいという欲望でございます。
ただ生きるのではなく、生きることを楽しむ四十八手があっても宜しいはずでございます。
しかし、それがないのでございます。
ヒイこらと苦しみながら生きているだけであります。
ひとつ楽しみ幸運を恭賀できる方法として占いがあるばかりであります。
占いは、実に多岐にわたる生き方のしないが内包されておりますです。
良い学校を出て、一流の企業に入社し、そして豊かな晩年を過ごすだけが幸運の人生ではないと教えてくれるのが占いなのであります。
手前味噌はこれぐらいにして、スケベ心を全開で四十八手を、ルーペを使って凝視することにいたしますです。