2022
10.25

あわただしい日々でありました。

やっと関東に帰ってきましたら、
「おっ、この冷え方は…」
モリオカよりも冷気が肌に沁みるのでございました。

一年間、待ったというものであります。
仕事の合間に、外に出ました。
風にさらわれた木の葉が乾いた音を立てて地面をころげていきました。

そーです。
帰宅早々に、仕事なのであります。

蘭丸さまのことを忘れていたな。
いや忘れてはおりませんでした。
モリオカにいるときには、常に意識にはためいているのでございます。

瞬間的にではございますが、胸のふくらみは忘れるものではございません。
「もういちど確かめなくては」
の気持ちの奥に、好奇心と同程度の怒りが込められているのでございます。

まさかペニスはあるのだろうな。
すると、手術によって大きくなった張り詰めた乳房の下に、勃起してツクシのよーな細いペニスが備わっていると思うと、たまらなくなるのでございます。

が、想像してもせんなきこと。

しかも、数日のモリオカ滞在で、私メはすっかりショボクレてしまったのであります。
「これがオレか…!」
鏡に、疲れ果てて老いた姿が映っているのでございました。
落ちくぼんだ目、そしてシミ。髪の毛も艶を失っております。

これでよかったのだ。
蘭丸さまと会わなくて良かったのだ。

窓の外で風が重たく鳴っております。
アホーッ、アホーッと泣いておりますです。