2024
03.13

ゆで卵の黄身を真ん中にする卵茹で器を使ってみましたです。

なんとも残酷な感じでありました。

ペンギンのお腹に生卵をセットし、そのまま鍋に入れて沸騰させるというもの。
アイディアはイイのですが、
「人でなしのアイディアでは…」
微かに良心らしきものが傷むのでありました。

若い頃、釣りに夢中になったことがございます。
趣味の欄には迷うことなく「フィッシング」と書き込みました。
最後の友人の斎藤と一緒に腕を磨きました。
斎藤は、親にデカい水槽を買ってもらい、そこに魚を放ち、生態を観察し、餌の食いつく特徴などを私メと研究したりいたしました。

ところが、あるTVのリバイバル放送で開高健だったかが、「魚との勝負だ」などと語っているのを見て、とたんに釣りへの熱が冷めたのでありました。

勝負ではない。
魚が人間に攻撃できないではないか。魚が勝つことのできない、これは人間の一方的な殺しだとなんとなく思ったからでありました。弱い者イジメだと。

対して斎藤は「オノはいつからそーなってしまったのだ」と首を傾げ、「魚というものは人間に食われるものだ」と、それがたしか最後の言葉で、すい臓がんで死んだのでした。

たしかに卵茹で器はペンギンですが、これはプラスチック製のペンギンで、実際にペンギンを熱湯で茹でているのとは違います。

でも、それでも心のどこかがチクリとするのであります。
弁当に、人間の顔を模したオカズがあるときに、どこから手を付けていいのか迷うよーに。