2025
03.27

もうすでに、15分以上も斜め前の座席の下にバッグが置かれたままになっておりました。

「爆弾では?」
だんだんと不審物という危険を覚え始め、とりあえず証拠の写真ということでカシャリ。

それから10分ほどして持ち主である男が戻ってまいりました。
どーやらウンコだったよーであります。
ワイシャツの後ろがズボンからはみ出しておりましたから。

もしも、盗まれたらどーするつもりだったのだろう?

私物を置きっぱなしにする楽観さが、じつは不運の始まりなのであります。
しかも、バッグを床に置くという安易さ。

私メの最初の占いの師匠は、こーいうところは厳格でありました。
カバンを持ちますと言っても、断り自分で抱えたりしておりました。
バッグだけでなく、横断歩道で青信号を待つ時も、電信柱などの陰に身を置き、もしも車が暴走しても身を守れるような習性でありました。
ホームで電車を待つ時も、絶対に列の後にならび、
「後ろから押されたらどーする」
性悪説が生活に溶け込んでおりました。

しかし、この師の心がけは正しいのであります。

いままで鑑定した人々を思い出すと、幸運な人は私物を大切にしております。
なかなか他人を信用いたしません。かといって敵対する姿勢ではありませんが。

バッグを置きっぱなしで、呑気にウンコをする行為は、幸運をみずから手放す人なのだなぁ、と男の後姿を眺めておりましたです。