2025
03.28

モリオカの実家の庭に春がムズムズしておりました。
それが老僕の私メの中心点をも刺激するのでございます。

テキストの送付などで郵便局への行き帰りに、昔のムズムズちゃん二人とすれ違もいたしました。
まるでひと昔まえのジャニーズみたいに、手のひらを小さく左右にふって合図を送ったりと、庭からの刺激がのこっておるかのよーでした。

少年老い易く学なりがたし、は、これは男子に対しての言葉でございましょー。
いや女子にもだと言われるかもしれませんね。
でも、女子には「命短し恋せよ乙女、紅きくちびる褪せぬまに」というゴンドラの唄が用意されているのであります。

昔のムズムズちゃんは、私メが手で合図すると、色あせた白髪まじりの髪に手を当てたくらいにして合図を返すのでした。心の炎はまだ消えておらぬとでも言うかのよーに。

合図した手のひらに、ほんのつかの間、ずっしりとした昔のムズムズが思い出されるのでした。
自慢だった細長いオヘソとかも。

花開いたバッケの花はいささか、苦さが強いのですが、まぁ、それはそれでムズムズなのでございます。
ゴンドラの唄の最後には、「今日はふたたびこぬものを」という禁断のフレーズがなびいております。

郷里はタイムトンネルでございます。
トンネルを抜けると、そこは浦島でございました。

私メも玉手箱を開けてしまったよーでございます。