2025
03.05

山火事の大船渡に金ちゃんが住んでおります。
亡祖母の弟の次男で、私メより10歳ほど年上。
若い頃は高倉健、そっくりでありました。

あまり会う機会はなく、金ちゃんが東京の大学を卒業し、岩手県の大手の建築会社に入社したとき、亡父は私メの、
「金ちゃんは、卒業したばかりなのに、もう部下が60人いるそうだ。おまえも見習え」
この言葉に猛反発をいたしました。

しかし、それから四年後、金ちゃんは大船渡のバーの女の人と結婚し、それを契機に会社を辞めたと聞いたときに、急速に近親感を覚えました。
亡父はそれ以後、金ちゃんの話はしなくなりました。

その金ちゃんは、東日本震災の時、命からがら助かったのでした。
大船渡の町の十字路で奥さんと待ち合わせ、背後から襲いかかる波から逃げおおせたのです。
後ろの人たちが、何人も波にのまれていったそーであります。
「何が起きたのかわからねよーな顔してな」
後日、精神を病んだ金ちゃんから聞いた話であります。

そして、今回の山火事。
津波の教訓から、山間に住まいを移したところ、今回は火の災難であります。

「助かったよーだ」
金ちゃんの兄のヨシノブさんから電話があり、ついでに生年月日を聞きました。
その命式を眺めつつ、もしも建築会社を続けていたとしたら、どんな運命たったのかを考えました。

自然災害と人の運命との関係であります。
被害を最小に抑えられるか、被害に向かってしまうのか。
じつに興味深い、これも四柱推命の醍醐味の一つかもしれませんです。