2011
10.24

おそらく忙しいからなのでありましょう。
せめてメシの時くらいは、という遊び心が働いたものと見えます。

けっしてセックス依存症ではございません。

ひがな一日中、動かずにねとっとPCの前に座っていますゆえ、低カロリーのモノと考えまして、チキンとシシャモの取り合わせでございます。
そうです、見た目は脂ぎっていますけれど、かなりカロリーは抑えておりますです。

そしてシシャモと二個のプチトマトを眺めていましたら、こういう盛りつけとなるのは、男ならばしごく当たり前のこと。
さかさまにいえば、こういう盛りつけをしない男はヘンタイだと断じてもよろしいでありましょう。

そそりたつ食材のオブジェ。

バカじゃないの? なんて内からの声に耳をすましてはならないのであります。
料理は官能、官能は料理。
どちらも夢のようなひととき。
なにもかも忘れてむしゃぶりつくわけでございます。

「おいしい…」
「おおっ、グッド、ティスト…!」
「イイ匂いがするね」
「恥ずかしいところを嗅がないで」
ありゃりゃ、昭和の枕絵というか枕写真の文面のようになりましたですね。

しかし、文明はこういう楽しみを消し去ってしまうのでしょうか。
明るすぎるのであります。
この料理を、たとえば暖炉の薪の炎にうるませたらどんなに素晴らしいことか。
薪がはぜるたびに、炎の明暗が、料理をいきたものにしあげるでありましょう。

炎は二人の瞳まで揺するのでございましょう。

が、今夜はワインはいっぱいだけ。

くちびるの脂をぬぐって、ふたたびPC前の男になるのでありました。