2011
10.14

「もっとシテ」
とか、
「まだまだいっぱいヤッてくれなきゃヤダ」
とオネダリされるのは男にとって無上の悦びのひとつなのであります。
もっとも「うへぇ、もうダメだ」と全身を汗でぬめらせ、ベッドでノックダウンする場合もあり、そういうときは、なんとかこの場をでてサッパリとしたいものだと贅沢な疲労に苦しむものでありますけれど、それでもあとになると、そういう情景のひとつひとつが思い出され、男の芯が強張ってくるものであります。

さて同じオネダリなのですが、
「いそいで袋を作ってください」
との連絡。
スケベな妄想にかられていましたから、袋と聞いて、男のお稲荷さんを握りしめ、
「袋とは…?」
と問いますと、
「福本銭をいれるハンコをおした、アノの袋が残り30を切りました」
というのでございます。

それで昨晩、画像の断裁機を用意し、せっせと袋作りに精を出したという次第でございます。
けれども、こういう催促もしあわせであります。
先月、あれほど作ったのに、もう底をついて追加とは、夢でもみているような幸せな気分であります。

辛気臭い作業であることは確かです。それに百年も前の固すぎるハンコを押す時に、肩を傷めるのであります。

どちらのオネダリがいいかと訊かれも、さあ、どちらとも…と判断に窮するばかりなのでございます。