2011
10.25

仕事のつかれに、縁側で寝そべっていますと、秋の空がひろがっていたのであります。

いつもなら、うたた寝するところですが、今日は10月25日だなぁ、なんて雲のうごきを眺めておりました。

大切ななにかを忘れておりました。
それが、ふと思い出されたのであります。

ああ、ゴウ命日なんだっけ。

二年前の今日、五歳のヨークシャーテリアのゴウが白血病で死んだのであります。

私は、そのとき図書館にいたのでありました。
ゴウは立つことも出来ないほど体力を失い、椅子に横たわっていましたが、借りた本を返すために図書館にいったのです。
モノ音がして、振り返ったら、図書館のロビーで老女が大の字で倒れていました。

「はっ!」とスピリッチャルがはたらきまして、老女の周囲にあつまるやじ馬をおしわけて、自転車をはしらせ自宅にもどったのでございました。

ゴウは、もう、すっかりいけなくなっておりました。
最後の息を大きく吐き出しました。
汗腺がないはずなのに全身が濡れました。

愛犬を失ってからタイプは二つに分かれるようであります。
にどとイヌを飼わないタイプと、新たにイヌを飼い始めるタイプと。

私メは後者であります。
三日目には、ペットショップでロメオを発見したのであります。

失恋した人も、やはりタイプがふたつに分かれるのかどうかは知りません。
しかし男と女の出会いと、ペットとはちょっと違うような気がいたしますです。

かくまで命日の秋の空はあおく輝いているのでありました。