2017
02.07

微熱で伏せっておりましたです。
平熱が35.4なので、それが36.9になると、もうイケませんです。
普段、けっこう丈夫なので、体調の悪さに対する免疫がないのも、困ったものであります。

が、熱も下がり、あとは食欲の戻りを待つばかり。

ロメオが、伏せっている間中、傍らにいたのでありました。

窓からは春の陽射し。
あとは、なんの物音も聞こえませぬ。

いや、聞こえる。蜜蜂の羽音が聞こえます。
私メは、あのとき、お女性の肩に手をまわしたまま、窓ガラスにぶつかる蜜蜂を眺めておりました。

よじれた毛布から脛をのぞかせ、束の間の疲労に言葉を失い、蜜蜂の動きを追っておりました。空は青空。

蜜蜂は何かの比喩かもしれないと思ったのは、別れてからずいぶんと日数が立ってからであります。

「どうして拭いていまうの」
ふたりの体液をそのままに、だから肌が糊のように引っ付いてしまうのでありました。体力を消耗した指を握らせたままにして、私メは蜜蜂のいつ終わるともない無駄な動作を眺めていたのでありました。

ふいにロメオが目を覚ませとばかり、顔を舐めにやってきました。

もう幻想の蜜蜂は消えて、微熱に犯された私メは、目を閉じていたことに気付くのでございました。

「官鬼は退神状態だな」と断易用語が口を突いて出てきて、股間に手を当てて「元神も復活の兆しだ」。

風邪かとおもいました。インフルかとも案じましたが、たんなる過労だったようであります。
もうそういう年齢になったのであります。

蜜蜂からも見捨てられたのかもしれませぬ。