2011
05.14

昨夜のアルコールがわずかに残っていて、気持ち悪くはないのだけれど、どこか気だるい土曜日の朝は、こうしてロメオを腹の上にのせているのが幸せなのであります。

もしも、これが女であれば、かなりわずらわしいことでありましょう。

イヌのいいところは、言葉を発しないことでございましょう。
人間の言葉で会話してくれればどんなにか可愛いだろうにとじれったくおもうはんめん、もしもそういうことになったなら、人間とイヌの関係は崩れてしまうのではなかろうかと空想したりするのであります。

男と女の関係が言葉を必要としない快楽の世界でつながっているときは、とてもイイ感じなのに、会話の関係になると、そこから醜さが出てギクシャクしてしまうようにであります。

社会的な関係になることは、困ってしまうことの方が多いのかもしれませんですね。

ところで、ロメオは私のTシャツをはいで、お臍の臭いを嗅いでいるのであります。

ふーむ、いささが疲労しているのかもしれません。疲れるとお臍が屁臭くなるものでして、そういうところからもお臍は健康管理の面でたいせつなポイントなのであります。

ロメオの鼻先の冷たさが、ひんやりとお臍にしみるのであります。

こういうことを情事のあとに女の子にしかけてみるのも無邪気で楽しそうではなかろうかと、しだいに睡魔に傾きだした脳みそのどこかでかんがえたりするのでした。

「ばっかじゃないの」
なんて言われながら毛布に頭をつっこんで女の子のお臍の臭いで嗅いだりしてみたくなったのでありました。
が、現実的でないことも知っております。
射精後の男の体は愛の抜けたムクロ。指一本動かすことも億劫なほどの気抜け状態だからでございます。
こうしたらどんなにか楽しいだろうに…とおもったことは射精前にしておかなければなりませぬ。
生きているうちに、いや若いうちに、いやいますぐに、すべきことをしないと手遅れになるようにでありまょうか。

寒くもなく暑くもない、一年間に何日もない快適な五月の土曜なのであります。

すべきことなど、ほんとうは何もないのでございます。
今日という日も、すぐに昨日になり一週間前になり、ありゃりゃ、いつだっけかなと忘れ去られてしまうのでありましょう。忘れたことさえ忘れるのでありましょう。

今月は震災で死んだ人たちの葬式が不連続であるのであります。
お骨のまま部屋においているのもねぇ、なんてことで、私も呼ばれているのであります。

生と性と斉。
ただそれだけのことなのであります。