2021
02.27

蜂の巣除去業者のお兄さんに聞いたことがございます。
「心配事があると蜂に刺されるんですよ」

そーいえば、小説でも読んだことがありました。
養蜂を営むセラピストの話であります。
悲しいことを考えると防護服に蜂が集まり、楽しいことを考えると蜂は寄り付かないのいうエピソードでした。
しかし、クライアントは楽しいことを思い描いても、蜂が密集してしまうのです。
「それは、本当に楽しいことではないからよ」
セラピストは言うのでした。

蜂に限らず、動物は、相手が弱みを見せると攻撃を仕掛けることは見聞きしていると思います。死にそうな人の家をカラスが旋回するとか。
愛犬のロメオも、死ぬ三か月前の老犬のセラーを押し倒したりしておりました。

人間だって同様であります。
弱体化した隣国を攻撃し領土を奪うことは、太平洋戦争終結後に、ロシアが襲ってきて色丹島などを占領された歴史で実証されております。

では、運はどーか。
幸運な人はどこまでも上手くいき、不運に泥むとたちまち数々の悲惨に追い込まれることは、30年ほどの実占から、身に染みるほど実感していることでございます。
四柱推命で測れば、誰にでも不運の時期は来るものでございます。
問題なのは、不運の時期の過ごし方。

自棄になって大酒を飲んだり、濁情に身を投じてしまうと、幸運の時期が到来しても、対処することができません。

小説の中でセラピストは語ります。
「悲しいことはすぐに浮かぶのに、楽しいことを考えるのは負担なのよ」
楽しいと思ったことは、じつは楽しいことではなくて、その場限りの心のメッキ。

コメディアンのお戯けに腹を抱えて笑ったあとの、虚しさ、怒り。

楽しい事とはいったい何でありましょーか。
悲しい事や不幸から逃れるための一時しのぎとしてしまうから、蜂という不幸に襲われるのでございましょう。その恋は逃避としての恋ではないのか。その趣味は本業で評価されなかったための慰めではないのか。スポーツ観戦。映画、演劇鑑賞。歌。そこに本当の喜びはたぶんございませんでしょう。元気をもらったなどは錯覚。

やはり、
「健康」「お金」「自由」の三要素のバランスかもしれませんです。

どーすればイイのだ。
答えは見つかりません。いや、見つかっております、私メなりに。
現在、流行りつつある「みんなが喜ぶことをすることが幸せなのだ」の美辞は違います。それは成功者が公の言葉として語ること。

ただ一つ、蜂や蚊に刺されず、犬に吠えられず、カラスやクマに襲われず、喧嘩を吹っ掛けられず、イジメられず…が、ひとつの指標なのであります。