2023
08.08

あわただしすぎて、今年は蓮の花を見ておりません。
では、昨年はどーだったか。
見ておりません。
一昨年も、その前の年も蓮の花を眺めたという記憶がありません。

だのに、今年に限って、
「見ていなかった…」
ひどく気にかかるのであります。

「また会うべな」
別れてそれっきりになってしまった仲間を思い出すみたいな感じでしょーか。
実際にはそーいう仲間はおりませんが、作り話に感傷したくもあるのであります。

いまは泥池で蓮の残骸が朽ちているばかりでございましょー。

夏祭りの音がどこからか聞こえてきて、やがて静寂し、ぞろぞろと暗闇を人々が引き上げてくる。
下の道端での会話が、簾を通して2階の部屋に届き、自転車を押して去っていく気配。
そして夜の雨。

「蓮の花を見ればよかったなぁ」

蓮の花は、きっと記憶の中で鑑賞する花なのかもしれません。