2023
08.19

目覚まし時計が、一度でも狂ってしまえば、以後、信じられません。
たった一度の裏切りで、そのご正確に作動したとしても、
「いつ裏切るか分からない」
もはや信頼感は地に堕ちてしまうのであります。

これが男女間であれば、かなり曖昧であります。
浮気されても、その瞬間ははげしく憤りますが、なんとなく修復してしまうものでございます。
「いいえ、ぜったいに許せない」
と別れてしまうお方もいるでしょーが。

許してしまうのは、手を胸にあてるまでもなく、自分自身、相手を裏切っている過去があるからでありましょー。
ここで目をつぶっておいた方が、賢いかもしれない。
あとで、こちらが浮気した時の弁解にもなるしな。

が、目覚まし時計の裏切りは、そーはまいりません。
そこに駆け引きも、喜びもないのであります。
はやいとこ新しい時計に変えなければいけない。
この気持ちが揺らぐことはないのであります。

おもえば、裏切ったお女性を責めた過去のないことに気づきましたです。
プレゼントした鶯色のワンピを朝帰りに着ていて、
「だってほかに良い服がなかったから」
弁解を聞くうちに、裏切られた快感に酔ったことがございます。
そのワンピを脱がされていくお女性の光景が頭の中で広がったのでした。

男とのデートに着ていくがよい。
それから、プレゼントするたびに耳元で囁くよーになっております。
「そんなことするわけがないじゃない」
信じるものか、馬鹿め。お前はその服を男に脱がされながら、私メを思い出すことになるであろー。

大丈夫、ひとりのお女性にすべてを求めませんので。

私メは狂った時計も平気で使ってしまうかもしれません。
いやいや、目覚まし時計のベルより、以前に目が覚めるたちでございます。