2025
01.11
01.11
フルーツケーキにブランデーをぶっかけて貪るのを〆にして、夜の一人飲みを決着させるのが、最近の習わしでございます。
これが実に美味いのであります。
これは癖になるのであります。
バッグの中にベビーボトルを忍ばせ、たとえば椿屋などでケーキを注文し、皿に流し込んで、密会した相手と薄ら笑いを交わしつつ、フォークでケーキを切り崩しながら口に運ぶ、これからはじめる罪のイントロ。
猛毒をたがいに呷り、この世とは別の世界にあそぶ、禁断のドア。
ああ、そんなこともしばしばあったなぁ…と回想しつつ、充実した日々を想う時、
「それほど悪い人生ではなかった」
と思えてくるのでございます。
たとえ濁水の結末で閉じられた関係だったとしても。
フルーツケーキは、もう三欠片残っておりますです。