2021
01.15

どこの収容所から逃げ出したのか、一人の黒んぼさんが、東西線三鷹行きに乗っていたのでありました。
イヤホンをし、スマホを眺めつつ、本部からの指令を待っているよーでありました。
サリンを彷彿させられました。

東京都下、緊急事態の只中でございます。

黒んぼさんはときおり、曼殊沙華のごとき赤い口を開けては左右を見回しておるのでございます。
いま中国人がまき散らした新型肺炎は、特別変異をくりかえし変異種としてアフリカに拡散しているとか。

マスクがいかほどの役に立つかは知りません。
が、感染防止をマスクに頼っているのでございます。
黒んぼさんは、故意のNOマスク。これはまさに、人間爆弾13号でございます。

もしも、五輪が開催されれば、これだけで済むはずがございません。

「モリオカに館を建築して良かった…」
イザとなったら避難するしかない。

と、そこまで考えまして、ふと、
「モリオカでは私メも、感染爆弾13号として排他されることであろう」
他県からの往来を禁止されているのだから。
人の悪さでは世界一の県。とにかく陰湿なのでございます。

モリオカ駅前に「開運橋」なる橋が架かっており、二度泣き橋の異名がつけられているのは、最初は、「こんな僻地に流されてしまった」と我が運命を嘆き、二度目はモリオカを去る際に、「やっと、陰惨なイジメから逃れられる」とうれし泣きをすることに因んでいるからであります。
諸説はございますが。

さらに、
いままで失敗してきたのは中国人や南朝鮮人だけでなく、岩手県出身者と仕事などをしたときに限られております。
つまりモリオカの民からどんな目にあわされるか分かったものではございませんです。

黒んぼさんに、すこし同情したのでありました。

モリオカの実家のガレージには湘南ナンバーの車を置きっぱなしにしております。
シャッターを下ろしておりますから日ごろは大丈夫。
しかし、食料を買いに出かけた時には、おそらく、30万人の農民から、この黒んぼさんと同じく敵意のまなざしを送られることでございましょう。引きずり出されて、鍬や鋤でつつかれ、殴る蹴るの暴行を加えられることも覚悟しなければなりません。
しかも、暇なうえに、しつこい性情ですから、付けられて館に放火、投石の被害も予想されますです。

「そーだ!」
実家の門扉に「暴力団 オノ組」と表札しておけば、警官が見回りに来てくれるかもしれない。セコムより効果的だし、しかも無料だ。

人間爆弾13号は飯田橋で降りていきました。
下車する際に私メを振り向きましたです。
反射的に、指を立て、その指を左に移動させ次に手を合わせOKのサインをつくる、無意味な暗号を送ってみました。幼いころに流行ったTV忍者部隊月光で憶えた暗号であります。
「?」
黒んぼさんはキョトンでございました。
イイ奴っぽかったです。

ペットに黒んぼさんも悪くないなぁ、身を守るSPとしても使えるし、死んだ愛犬のジョルノのゲージも取っているから夜はそこに…と妄想し、マスクを外し、車内の空気を吸ってみたのでありました。