2023
06.07
06.07
窓をあけましたら潮の香り。
その香りにさそわれて自転車で浜まできてみました。
自宅から海まで丘をひとつ向こうなのですが、その丘を越えましたら、光が眩しいのであります。
透明な陽光が白いTシャツに眩しく反射しておりました。
じつに1年以上の海でございます。
けれど何も変わってはおりませんでした。
10年以上も前に、体調が思わしくなく、
「海の気で治そう」
と、2か月余り、毎日、海辺を自転車で江の島あたりまで走らせました。
おかげさまで体調は戻り、海の「気」の力に感心したことがございます。
そのころと海は何も変わってはおりませんでした。
浜までの道すがら、家々は様変わりしておりましたが、海は不動でございました。
で、ありますから1年以上もご無沙汰しているというのに、つい昨日、この海に来ていたような錯覚にあそべるのでございます。
変わらない仲間とお喋りしているよーなものでした。
しかし、それはファンタジーでございまして、現実には、変わらない仲間はおりません。
お酒を飲みながらの、ほんのつかの間だけ、むかしに帰ることはできますが、海のよーにはまいりません。
そして、それでイイのでございます。
私メだとて知らぬうちに変化しているのです。
1年前の自分ではなく、十傳スクールを始めたころの自分ではなく。1年後の自分でもないのであります。
そのよーに変化しながら人との交錯があるのですから、
「あの時と変わらない」
と望むのは無理というもの。
しばらく海を眺めておりましたが、「こーしてはいられない」と引き返し、仕事に戻るのでございました。