2023
06.28

思い出に縛られていると感じるのは、たとえばフェンスの向こうにひろがる眩い校庭の前を通りかがる時だったりいたします。

選択をする前の時代は、ひどく懐かしいのであります。

生年月日から割り出される一粒の種。
その種でも、葉を出し茎が伸び花を咲かせるとは決まっておりません。
選択や環境によっては、実を付けなかったり、はやばやと枯れてしまうこともあり、花が咲いても誰にも鑑賞されずに終わることもあるのであります。

同じような生年月日でも、まったく違う人生になるのは、その選択にかかっているからでございますです。

「ちがう、ちがう、ちがう、ちがうんだ」
と、すべてに否定していたとしても、選択する前の、なんと贅沢な若かりし頃だったかと懐かしむのですが、しかし、ふたたび愚かな恋に苦しむことにはお断りいたします。

若さとは恋が9割を占めております。
成就の意味も分からぬ幼い恋でございます。

つい昨日まで若さに輝いていたお女性のメイクが、どこか古びて見えることがございました。
青白い白目が濁って見えることがございました。
それが若さからの卒業だと知るのは、ずっと後になってからかもしれないし、本人も敏感に気づいていて、「もう、そんな遊びをしている時間はわたしにはないの」と、思い出から、新しい日々に前のめりに走り出すケースもございます。

占いを知ってからというもの、男女の生態の逃れられない宿命が分かってしまう場合がございます。

フェンスの内側からのぞき見えるフェンスの外側の景色は、やはり刺激的なのでしょーか。