2023
06.24

法事の参加者をそのままにして、ひと足お先に温泉地に到着し、図書コーナーでミステリを眺めつつリラックスしているのでした。

二時間ほどあとは酒盛りが始まる、いわば嵐の前の静けさでございます。

旅館はバカに混んでおります。
痩せもデブも、気取った者も、田舎っぺも押し寄せております。
思えば、ここ数年間はコロナとかいう情報にふりまわされステイホームでございました。

しかし、見晴らしの悪い土手が目の前にせまる、この一室はいたって静か。
そして恐ろしいことに、従業員の一部は、私メを憶えているのでございました。
これだから地方は困ったものであります。
「無視してくれ」
親族の奴らに怪しまれるではないか。

まさか、食事の際に、
「前回は、このお酒をお褒めでございましたが…」
などと言われるのではあるまいな。

そんな妄想に怯えるものですから、ミステリの内容が頭に入ってまいりませぬ。

あきらめて温泉でひと風呂浴びてくるか…。