2011
09.12

神楽坂のとんかつ屋もそうなのでありますが、以前、馴染みだった店に顔を出すのは、けっこうストレスなのであります。

このラーメン屋も1998年から2008年のあいだ、週に二度は来ていたのであります。
特定の日は、ラーメンが一杯三百円になるので、事務所の女の子もひきつれて行ったものです。

「たまにはラーメンの日に安くなるところじゃない店にも連れて行ってください」

なんて言われましたから、もうどこにも連れて行かなかったのであります。

ところが、このラーメン屋の神通力なのでありましょうか。
三年後には世田谷にマンションを購入するほど儲けたのでありました。
もう私メなど目じゃなくなり、
「オノさんといてもメリットがないから」
とズバリと告げられて、独立したのでありました。
いまでも困った時にだけ連絡があるので、それはそれで可愛いのでございますです。

店の人は
「あれ、どっかであったことあるよなぁ」
というふうな目つきをするのであります。
黙ってラーメンをすするのでありました。

懐かしいというか、美味いというか、当時の気持ちまでよみがえってくるお味なのでした。

当時、週に二回以上、ここのラーメンを食い続けた結果、腹周りが大変になったことを記憶しておりますです。
麻薬が仕込まれているのか、それともカフェインが投与されているせいなのか、腹周りがみるみる太るにも関わらず、ラーメンを食い続けるのでありました。

結局、事務所を神楽坂に移転したときまで、肉体はむくむ一方だったのでございますです。