2011
09.15

あまりの残暑のきびしさに茅ヶ崎美術館で開催している、川上音二郎・貞奴を見ることにいたしました。

明治期にパリなどで活躍したオッペケペーであります。笑いを交えた演劇、川上座の主催者であります。

さほど面白いわけでもありませぬが、つまらないこともないのであります。
五百円で釣り合う内容でありました。

興味を惹いたのは、二人が若い頃、手漕ぎボートで、品川から神戸まで三カ月だったかをかけて出航したエピソードであります。
嵐にあったり、イルカの大群に襲われたり、あるいは舟のなかで夫婦喧嘩をしたりと、なかなかの冒険者だったようであります。

北朝鮮の脱北船が漂流したようでありますが、とても粗末な船だったとか。
音二郎は手漕ぎボート。

やろうとするかしないかなのであるなぁと、なにもしようしないわが身を反省するのでありました。
やり残したことがあるかどうかさえ分からない状態であります。

いま死ねといわれたら、きっと「あれもやりたかった、これもしたかった」
と焦ることでありましょう。

たまには過去の人たちの人生を見て歩くのも悪くありませんです。

忙しいとか、お金がないとかは、きっと言い訳なのだろうとおもうのであります。

時は刻々と過ぎていくばかりであります。
自分のいまある条件でも、何かはできるはずであります。

愛欲だろうとなんだろうと、いまやれることをひとつひとつクリアしていくことが楽しい人生の始まりなのかもしれませんです。