05.31
カメ子が、今年も産卵いたしました。
14個。
そのうちの一個を掌に乗せてお見せしているのであります。
だいたいひと夏に二回から三回、ほとんど決まったあたりに産卵いたします。
むろん無精卵。
庭に埋めて、花の肥料にするのも、毎年の習わしなのであります。
ところが、今年のカメ子は、
「十傳、好きじゃない!」
まるでなついてくれないのであります。
大昔に拾ってきて、手からでないと餌を食べなかったというのに。
餌をちらつかせると、水しぶきを上げて近寄り、
パクリ!
と食べていたのに、今年は、絶望的なほどによそよそしいのであります。
「悪い事でもしたのだろーか」
痛くもない腹を探っては首を傾げるばかりなのであります。
私メから死の匂いでも発せられているのだろーか…などとも思ったりいたします。
動物は、死臭を嗅ぎ分け、それを発するものを忌むのでございます。
カラスなどは喜んで、啼きわめいたりはいたしますが。
それとも、カメ子がカメであることを自覚したのか。
一生、狭い場所に閉じ込めてられているという自我が出たのかもしれません。
あるいは地球の異変を察知したのか。
いずれにしても人間に嫌われることには慣れておりますが、動物に冷たくされるのは、ちと辛いものがございますです。
そーいえば、カラスが少ないことにも気がつきます。
雀の囀りも聞こえませんです。
モリオカでは、いまごろはカッコーが電線に止まって間抜けた声で鳴くものでしたが、耳にしていないのであります。
トカゲもみあたりませぬ。
ニシキヘビが逃げ出したというニュースがございましたが、地球の危機の近いことを察知したカメ子は、私メに愛想をふりまくどころではなく、どこかに逃げ出し身を隠そうともがいているのかもしれません。
沈没を予感したネズミが、出向前に船からいっせいに逃れるという話を思い出しましたです。
地震、津波、水害、疫病(これは中国人の細菌兵器ですが)と、つぎは巨大隕石か。昆虫の害か。
カメ子の行動を観察すれば、答えが見つかるかもしれませんです。